お知らせ
【イベントレポ】『小商い建築、まちを動かす!』刊行記念 「小商い建築のつくり方ー不動産を活用し運営することの可能性」

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【イベントレポ】『小商い建築、まちを動かす!』刊行記念 「小商い建築のつくり方ー不動産を活用し運営することの可能性」

2022年11月7日
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小商い建築を紹介する本『小商い建築、まちを動かす!』が、ユウブックス から刊行されました。本イベントでは「小商い建築 のつくり方ー不動産を活用し運営することの可能性」をテーマに、設計者やまちづくり実践者の活動を通じ、”住まいと街の解説者”として活動される中川寛子さんのファシリテーションのもと、小商いと空き家利用・新しい働き方の可能性などについての議論が行われました。

登壇者5名がそれぞれの活動について紹介した後には、参加者との質疑応答が設けられました。参加者から出た質問「活動の根本にある思い」について、

 

郡上八幡でArt & Hotel 木ノ離を営む藤沢さんは「長く続けていくために、自分のエゴを惜しみなく取り入れることも大事」と言います。受付やチェックインのお迎え、予約対応なども藤沢さんがメインでこなされているそうですが、これも全て「おもてなしをしたい」という思いが根底にあると語りました。

新横浜で郵便局をリノベーションして新たな空間づくりをしている若林さんは、そこに”未知への窓口”というコンセプトを持たせ、再び街の人の拠り所になるような場づくりをしています。 

様々な“場”を取材する中川さんからは、昨今の商店街の衰退について「モノを並べれば売れる時代は終わった」という鋭い指摘がありました。現地に赴いてモノを買うという行動には、そのモノに対する価値と、それが売られているお店の人や作られる背景など「プロセスエコノミー」と言う観点が重要です。小商いを考える際、このような文脈に価値を見出すことが重要だと数々の事例とともに解説しました。

途中議論がかなり白熱し、予定していた時間を超えての開催となりましたが、登壇者の問いかけに対する反応の大きさや、質疑応答の熱量、イベント後の登壇者への個別相談など、ご参加の皆様の温度感がとても高いことを肌で感じました!

 【イベント概要】
日 時:2022年10月28日 (金) 19:00 – 21:00
会 場:「S-TOKYO 」2F SALON & SHOWCASE
定 員:会場参加25名(先着順)
ゲスト:中川 寛子/藤沢 百合/間宮晨一千/若林 拓哉/菊池 勇太
当日のアジェンダ:19:00-21:00 登壇者5名の取り組み紹介
         21:00-21:30 会場からの質疑応答

 【登壇者の紹介】
中川 寛子
住まいと街の解説者/東京情報堂代表/(株)東京情報堂代表取締役/オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。
30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

藤沢 百合
建築家/スタジオ伝伝代表/Art & Hotel 木ノ離 オーナー。
大学では心理学科専攻。卒業後、不動産ディベロッパー勤務、用地の仕入れ、販売を中心に担当。不動産をより深く理解するために工学院大学2部建築学科に編入。卒業後、ランドスケープ事務所のアルバイトを経て、リノベーションを得意とする設計事務所に入社。事業用不動産を中心とした改修企画・設計および賃貸不動産担当を兼任。2014年「日本の伝統建築と生活文化を次世代に、世界に伝える」を目標に独立。東京と岐阜の郡上八幡を中心に、設計・不動産・宿泊業の3本を柱に活動。2020年に、郡上八幡に直営の町家のアートホテルを開業。法政大学デザイン工学部大学院兼任講師・名古屋造形大学地域社会圏領域非常勤講師を務める。

間宮晨一千
建築家/プロジェクトデザイナー/センブンノイチ株式会社共同代表。
BARBARA CAPPOCHIN ビエンナーレ国際建築賞、日本空間デザイン賞など多数のアワードを受賞。
主な作品に京都の清水寺前において人間国宝である近藤悠三氏の作品を中心に近藤家三代の作品を展示している「KONDO MUSEUM 」、東京の日本橋では半世紀以上の刻を経た建物をコンバージョンした珈琲専門店「イルマン堂」、名古屋ではBEAMSの名古屋案内でも取り上げられている「TT” a Little Knowledge Store」など手がけている。
また愛知淑徳大学にて間宮ゼミナールを受けもちながら都市研究の企画・リサーチを行う「未来デザインラボ」(2018)、アートプロジェクト「長者町コットンビル」(2020)、マイクロコンプレックス「S-TOKYO」(2022)のプロジェクトデザインを行う。

若林 拓哉
建築家/株式会社ウミネコアーキ代表取締役/つばめ舎建築設計パートナー/株式会社NODパートナー。
1991年神奈川県横浜市生まれ。2016年芝浦工業大学大学院修了。同年よりフリーランスとして活動開始。2022年法人化。建築設計だけでなく企画・不動産・運営の視点からトータルデザインし、建築の社会的価値を再考する。主なPJに、「新横浜食料品センター」(SDレビュー2022入選)、旧郵便局を改修した地域の文化複合拠点「ARUNŌ –Yokohama Shinohara-」(2022年)など。

菊池勇太
合同会社ポルト 代表
1989年、福岡県北九州市生まれ。コンサルティング会社、マーケティングリサーチ会社を経て、2018年に合同会社ポルトを設立。ゲストハウス『PORTO』や『てるちゃんのバナナジュース』などの飲食事業、『海峡レモン』や『門司港ららばい』などをプロデュースして、地域にあるもの再定義して新たな事業やコンテンツを生み出している。合同会社ポルトと同時期に阿蘇で課題になっている空き家を活用した不動産事業を共同で立ち上げ、地域の枠を越えて地域に寄り添った活動をしている。